魚介類の摂取で、心臓病、動脈硬化を予防

2012年12月27日毎日新聞夕刊記事より~Dr.白澤「100歳への道」

魚介類の摂取

2006年の世界保健機関(WHO)の報告によると、日本人の魚介類消費量はアイスランドと並び世界一。
アイスランドは日本と同様、世界トップクラスの長寿国だ。すなわち、国民1人当たりの魚介類消費量とその国の平均寿命との間には正の相関が見出されているのだ。
 
心臓病、動脈硬化を予防
魚の摂取量が健康長寿につながるのは、魚に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸
(DHA)などのオメガ3系脂肪酸が心臓病や動脈硬化を予防する効果があるからだ。

心臓病とオメガ3系脂肪酸の関係は、70年代のグリーンランドに住むイヌイット族の研究が発端だった。イヌイット族とデンマーク人の食事を比較したところ、両者の摂取カロリーや脂肪量はほぼ等しかったのに、デンマーク人の心臓病による死亡率は34.7%、イヌイット族はたったの5.3%だった。食べているものをみると、イヌイット族が魚やアザラシを食べていたのに対し、デンマーク人は牛肉や豚肉を食べていた。アザラシの脂にはEPAが豊富に含まれている。

そんなオメガ3系脂肪酸の摂取は、認知症の予防にもなることが最近の研究によって明らかになった。米カリフォルニア大ロサンゼルス校医学部神経科学科のギゼール・リム博士らの研究チームは、アルツハイマー病を発症するネズミの餌の中にDHAを混入し、予防効果を調べた。
その結果、DHAがたくさん餌に含まれていたネズミ群はDHAが少量しか餌に含まれていないネズミ群に比べ、アルツハイマー病の病変を示す脳の老人斑(シミ)が40%も減少していたのだ。
海に囲まれる日本。新鮮でおいしい魚を食べられる環境に感謝しよう。

(白澤卓二・順天堂大大学院教授)
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年末年始、食べ過ぎないために

2012年12月24日 毎日新聞夕刊記事~「Dr.白澤 100歳への道」

食べ過ぎないコツ

年末年始は忘年会や新年会が続き、体重が増えてしまう人や糖尿病のコントロールが不良になってしまう人が多い。食べ過ぎないように心がけても、断れないのがお酒やごちそうだ。
 そこで、誘惑の多いこの時期に体重をしっかり管理できる「食べ過ぎない四つのコツ」を紹介したい。
そのコツとは、

1.野菜から食べる
2.一口30回かむ
3.朝食は抜かない
4.食べ放題、飲み放題の店に入らない

「朝食は抜かない」は以前にこのコラムで解説したので、今回は「野菜から食べるコツ」を説明しよう。

食物繊維を見方に

 なぜ、野菜から食べたほうがいいのか?
野菜はカロリーが少ないので、野菜で満腹になれば自然にカロリー制限が実践できる。
野菜は食物繊維やビタミン、ミネラルやフィトケミカルが豊富に含まれているが、これらの成分はエネルギー源にならない。ちなみにカロリーが多い食べ物は、炭水化物、脂質、タンパク質である。

 どのくらいの量の野菜を摂取する必要があるのだろうか?
厚生労働省の推奨は1日350gの野菜の摂取。毎食約120gを摂取する必要がある。さらに果物は1日に200g、毎食換算で約70gの摂取が必要だ。野菜は低カロリーだけれど、サラダのドレッシングは高カロリーなので気をつけたい。

野菜には食物繊維も含まれており、コレステロールや食品添加物、ダイオキシンなどの吸収阻害効果が期待できる。
食物繊維は消化管から吸収されないので、食物繊維を食べる前に吸収された血中のコレステロールを減らすことはできない。コレステロールなどの吸収阻害効果についても、食べる順番を間違えるとほとんど意味をなさないので。

(白澤卓二・順天堂大大学院教授)

野菜から食べると血糖値が上がりにくい

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食べる順番で、糖質を吸収されにくくするには?

1、野菜(きのこ類、海藻類も)
2、肉や魚などのタンパク質
3、ご飯やパン、麺類などの炭水化物

●野菜に含まれる食物繊維が、炭水化物から分解されたブドウ糖の吸収を穏やかにする。
●ゆっくりよくかんで食べる。
●野菜は、1日400gを目標に食べる。
●外食や弁当ご多い人は、トマトや野菜100%ジュースを先に飲んでも良い。
●野菜でも、芋類、かぼちゃ、レンコン、とうもろこしなどは、炭水化物が多いので、ご飯と同じに考える。

糖尿病予備軍と認知症について

2012年12月6日毎日新聞夕刊から~「Dr.白澤 100歳への道」

糖尿病予備軍と認知症

糖尿病がアルツハイマー病の危険因子の一つであることは以前、紹介した。それでは糖尿病を発症する前の糖尿病予備軍の人はボケやすいのであろうか?
九州大・環境医学分野の清原裕教授は福岡県久山町に住む60歳以上のアルツハイマー型認知症ではない高齢者1017人を対象に、15年間追跡調査をした。その間、232人認知症を発症した。調査の結果、耐糖能以上すなわち糖尿病予備軍の高齢者は、正常高齢者に比べてアルツハイマー病の発症率が60%、糖尿病患者を含めると73%上昇していることが分かった。清原教授は「食後の高血糖は神経細胞に酸化ストレスを発症させ、アルツハイマー病を促進している可能性がある」と分析している。

高血糖が神経細胞にストレス

一方、東京医科大老年病科の羽生晴夫教授は、同大学病院の糖尿病外来を訪れた糖尿病患者で認知症とは指摘されていない65歳以上の240人に対して、認知機能の検査を実施した。その結果、糖尿病外来患者の5%が認知症と診断され、32%に認知層の疑いがあった。
されに羽生教授はピオグリタゾンという経口糖尿病薬に注目。軽度の2型糖尿病を合併した早期アルツハイマー病患者42人に2年間ピオグリタゾンを投与し、認知機能に及ぼす影響を観察したところ、ピオグリタゾン投与群は2年経過しても、非投与群に比べて認知機能が保たれていた。

 厚生労働省の推計によると全国で認知症患者は30年後に800万人~1000万人になると推計されている。
神経細胞における糖代謝異常の是正に新たなボケ防止の戦略になるかもしれない。

(白澤卓二・順天堂大大学院教授)

朝食抜きは短命?

2012年11月29日夕刊から~Dr.白澤 「100歳への道」

朝食抜きは短命にも

内閣府が発表した「食育の現状と意識に関する調査」(2012年3月)によると、朝食を「ほとんど食べない」と答えた人は、20代男性が16.9%、20代女性が7.3%と各年代で最も多かった。60歳以上では90%を超える男女が「ほとんど毎日食べる」とした。
 最近の調査研究結果によると、元気な百寿者は朝食をしっかり食べており、糖尿病患者は朝食を食べている人が極端に少ないことが分かった。朝食を抜くと糖代謝が乱れ長生きできない可能性があるようだ。

血糖値が激しく上下

では、朝食を抜くと糖代謝にどのような悪影響を及ぼすのだろうか。朝食を食べないと昼食時にインスリンの効きが悪くなり、昼食後血糖値が以上に高くなる。急上昇した血糖値に反応して過剰に分泌されたインスリンは血糖値が一日のうちにジェットコースターのように上下することになる。午後3~4時に無性に甘いものがほしくなるのはこのインスリンの作用に他ならない。甘いものを食べるとイライラ症状を回避することができるが、再び血糖値の過上昇と急降下を繰り返し、ジェットコースターパターンが習慣化してしまうのだ。一方、朝食を食べた人の血糖値は穏やかな上下を示し、一日のインスリン分泌量は少なくてすむ。

 低GI(グリセミック・インデックス)食材を朝食に積極的に取り入れることでも、インスリンの効きを良くすることが可能だ。低GI食材とは血糖値が上昇しにくい食品のこと。
白米より玄米、食パンより全粒粉パンのほうが低GIだ。朝食に納豆、豆腐、昆布、もずくといった食材を取り入れればさらにインスリンの効きは良くなる。
100歳で元気な人の食卓に低GI食材が多いのは偶然ではないのだ。

(白澤卓二・順天堂大大学院教授)
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