寝不足が肥満を招く?

2013年4月4日毎日新聞夕刊記事~Dr.白澤「100歳への道」

睡眠時間と肥満度の関係

仕事が忙しくなり、睡眠時間を切り詰めるのは現代人にはありがちのことだ。
 米国と日本での大規模調査では平均睡眠時間が7時間の人が最も長寿という傾向が認められ、それより長くても短くても寿命は短縮する傾向にある。

実際、仕事が忙しくなると、まず運動ができなくなる。次に睡眠時間が短くなり、ついには食事が不規則になって体重が増えてしまう。
 体重が増える原因は運動ができないからなのか、あるいは食事が不規則になるからなのかははっきりしていない。ところが最近、睡眠の短さ自体が体重を増加させるメカニズムが解明され話題を呼んでいる。
「寝不足」に陥った脂肪細胞がエネルギー代謝を変えてしまった結果、体重が増えてしまうという発見だ。

脂肪細胞がエネルギー代謝を変える
米スタンフォード大のシャーラッド・タヘリ博士らの研究グループは、30~60歳の健康な米国人男性1024人を対象に睡眠時間と食欲を制御するホルモンであるレプチンとグレリンの関係を調べた。レプチンは脂肪細胞から分泌される食欲抑制ホルモン、グレリンは胃から分泌されるホルモンで食欲を増進させる働きがある。

調査の結果、睡眠時間が8時間未満の人は睡眠時間が減るほど体重が増える傾向が認められた。
ホルモンとの関係では、睡眠時間が短くなるほど血中のレプチン濃度が低く、グレリンの濃度は上昇した、つまり、脂肪細胞が睡眠不足に陥り食欲抑制ホルモンであるレプチンを分泌できなくなる一方、胃は逆に食欲増進ホルモンであるグレリンをたくさん分泌し、体重を増やすように指令を出していたのだ。

なかなかダイエットができないという人は睡眠時間のチェックも必要だ。

(白澤卓二・順天堂大大学院教授)
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認知機能の低下は、40代後半から!!

2013年3月28日毎日新聞夕刊記事から~「Dr.白澤 100歳への道」

認知症の中でも物忘れを主要症状とするアルツハイマー病は70歳前後で発症する。原因である脳の病変は臨床症状が出現する20年前から進行していることが分かっている。
では、認知機能の低下は本当は何歳から始まるのだろうか。

フランス国立衛生医学研究所のアルシャナ・シンマヌー博士らは「認知機能の低下が始まる時期を特定することは医療介入を何歳の時に開始するかを決めるうえできわめて重要」と考えた。

男女とも40代後半から

シンマヌー博士らはロンドン大学と共同で、ホワイトホールⅡコホート研究(1985年から英国人公務員を対象に実施された臨床研究所)に登録した45~70歳の男性公務員5198人と女性公務員2192人を97年から10年間観察。

①推論能力
②記憶力
③音声の流暢性
④語義の流暢性
⑤語彙
の五つの認知機能を評価した。

その結果、5歳刻みの各年齢層で語彙を除く四つの認知機能スコアが10年間に有意に低下していることを明らかにした。特に推論能力の低下は女性は45~49歳と50~54歳の年齢層で、男性は60~64歳と65~69歳の年齢層で顕著に低下した。
女性の推論能力の低下が顕著だった時期は更年期と一致することから女性ホルモンの分泌低下が認知機能に影響を与えたと考えられる。
また、認知機能の低下は男女ともに45歳~49歳で始まることが始めて分かった。シンマヌー博士は「心血管系によい生活習慣は認知機能維持に重要」とし、心疾患の危険因子である肥満、高血圧、高コレステロールを中年期から少しでも減らすことが認知症予防につながると強調する。
「40代で認知症なんて」という油断は大敵だ。

(白澤卓二・順天堂大大学院教授)
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