三浦さんのエベレスト登頂成功の秘訣は

2013年5月23日毎日新聞夕刊記事~Dr.白澤「100歳への道」

長寿気質は遺伝するのか

私の長寿研究は登山家でプロのスキーヤーだった三浦敬三さん(享年101)が100歳でも山スキーを若者のように楽しんでいたことから始まった。
敬三さんは100歳の時、「一日として同じ雪を滑ったことはない」と話し、最後の最後まで研究心を忘れなかった。長寿モデルの原点となり、多くの教訓を我々に与えてくれた。

敬三さんは「まじめ」で、目標に向かって、「コツコツ」と日々の努力を重ねていくタイプの性格。
一方、長男で冒険家の三浦雄一郎さん(80)は冒険好きでチャレンジ精神が旺盛だ。
1970年にはエベレストのサウスコルをスキーで滑降。その勇敢な姿を記録した映像「エベレストを滑降した男」は米国アカデミー賞の長編記録映画部門賞を受賞した。
今年も80歳にして3度目のエベレストの登頂にチャレンジ。このコラムが読まれる頃には「成功」の一報が届いているかもしれない。
対照的な性格の敬三さんと雄一郎さんだが、共通する気質は何だったのか。

「家族に絶えず笑い」共通

米ニューヨークのアインシュタイン医科大学のニール・バルジライ博士らの研究チームは、遺伝的特性が均質である東欧系ユダヤ人243人を対象に長寿者の性格や気質を調査。その結果、100歳前後まで長生きする東欧系ユダヤ人は外交的で楽天的な性格を有していることが分かった。さらに、人生に対して前向きで「よく笑うことが人生には重要」と認識している人が多かった。幅広いヒューマン・ネットワークを持っていることも明らかとなった。

東欧系ユダヤ人のように、三浦ファミリーには「笑い」が絶えずあり、幅広い人脈をつくることができる点は敬三さんと雄一郎さんに共通する長寿気質なのかもしれない。

(白澤卓二・順天堂大大学院教授)

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